渋滞対策


ページの概要

渋滞は、都市の公共サービス(消火活動・ゴミ処理など・警察車両など)を停滞させ、産業から商業への物流も阻害するため、都市機能のマヒにつながる。
このページでは渋滞の原因とその解消方法について説明する。

車両のルート選択基準

全ての車両の走行ルートは、現在位置から目的地までの道路制限速度だけを加味した最短距離のみ (*1)で決定する。
渋滞を一切考慮しないため、迂回路が空いていたとしても、制限速度を加味して遠回りであれば見向きもしない。
  • ただし必ず最短経路しか通らないわけではなく、多少の誤差は許容する模様。何にしても大きく迂回する事はない。

また、一度決めたルートは、道路破壊等により使用不能にならない限り、途中で変更されない。
つまり、新規道路を敷設しても、すでに出発している車両は基本的にそれを使わない。
そのため、新規道路の利用は、ゲーム内で1週間程度かかる。

なお、新規に道路設置後、1週間程度待っても ほとんど使われない場合、
前述の「最短距離」になるよう経路短縮するか制限速度の高い道路に変更すると良い。
逆に使われすぎて困る道路は多少不便にしてやるのも手である。

車両別の渋滞原因

渋滞の一番の原因は、トラフィックの増大である。
交通量が多くなるほど、渋滞の程度も増す。まずは道路を増やす事や交差点等の改良から考えていいが、いずれそれにも限界が訪れるため、遠からずトラフィックの減少が必要となる。
このゲームにおけるトラフィックは以下の四つに大別できる。

  1. 通勤自動車・買い物客の自動車
  2. 観光客
  3. 産業、商業用車両
  4. バス、消防車などの公共車両

1.通勤・買い物車両

これらはバス、地下鉄などの都市内公共交通の充実で減らすことができる。
特に地下鉄は道路への負荷が少なく、大量輸送が可能だ。

2.観光客

「どこが渋滞しているか」で対応が変わる。
  • 都市内部で渋滞 → 通勤車両等と同様、都市内公共交通を充足させる
  • 都市出入り口(≒インターチェンジ)が渋滞 → 都市間公共交通(鉄道・空港等)を充足させる

3.産業用車両

トラクターは原材料を産業地区へと輸送し、バンやトラックは加工された商品を商業地区へと輸送する。空荷になると元の場所へ戻る。

商品の需要量は概ね人口で決まり、供給量は産業地区の生産能力で決まる。量に過不足が有れば輸出入を行う。

  • トラフィックに占める割合が一番多く、ほとんどの場合、この産業用車両の処置で渋滞の程度が決定する。
  • 輸出入車両が原因で渋滞している場合、交易情報ビューを見ながら商品の需要と供給を釣り合わせ、車両数を減らすことが先決。産業区画の生産量を増やす条例や、オフィス区画に勤務する市民の増減が利用できる。
    • 需要バーとは別に計算されるため、新人市長は注意
  • 輸出入にはマップ外と繋がる高速道路、貨物駅および貨物港が利用される。
    • 「高速(貨物駅、貨物港)→産業地区→商業地区→高速(貨物駅、貨物港)」の専用バイパスを作り、車両を誘導するとよい。
  • 工業地区から商業地区へのトラックによる商品ピストン輸送で幹線道路が混雑する場合、その間を鉄道で置き換えることで解消が見込める。
  • 特化産業区画が有る場合、原材料がその地域からも供給される。
    • 特化産業1次産業(例:農場) → 特化産業2次産業 (例:食品工場) → 非特化産業 → 商業 の順に輸送車両が走る。これを踏まえた経路設計を行えば、輸出入車両による渋滞が軽減される。(経路が適切でない場合、渋滞が悪化する事も有る)

これら産業用車両は目的地まで貨物を搬送後に出発した建物に戻るが、一方通行などで帰還が不可能である場合、消滅する。産業用車両の数がざっと半減するため、正統派プレイにこだわりの無いプレイヤーならば効果的に使える可能性が有る。

4.公共車両

サービス提供のために路上を走行する他、建物や停留所の前で停車する。
停車が渋滞の原因になるケースは多い。対策は下記を参照。

渋滞原因としての車両の減速

渋滞は車両が減速することで発生する。減速するポイントは以下の通り。以下は、デフォルトの右側通行に設定されている場合についての言及。
  1. 信号待ち・踏切待ち
  2. 左折待ち(対向道路の通過待ち)、右折・直進待ち(信号が無い場合の交差道路の通過待ち)
  3. バスの発着、2車線道路の路面電車の発着
  4. 消防車・救急車・霊柩車・その他公共車両
  5. 車線変更待ち(車線数減少を含む)
  6. 合流
  7. 偏った車線利用
  8. 歩行者の横断
  9. 急カーブの通過・右左折


信号待ち・踏切待ち への対処

信号待ち

交差点は2つ以上の道路が1つの箇所をシェアするかたちになるため、できるだけ減らす事が肝要。重要な道路は立体交差にするとよい。しかしそれでも交差点をゼロにすることは現実的ではないので、うまく対処するよりない。

信号は両側4車線以上の道路が道路(一方通行の入口以外)と交差する時に出現する。
赤信号が車両の交通を完全に止めるため、通行のキャパシティーを下げる。
幹線道路にむやみに交差点をつくらないことが重要である。
ただし後述するが、信号機がないと大混乱に陥る事も多くある。町の発展に従って柔軟に対応していくこと。

また、現実と同様、前方の車両が交差点を通過するまで、後方の車両は交差点に入ることができない。
特に、交差点が近距離に連続していると、先方車両が2つ先の交差点を通過するまで後方車両が交差点に進入できず、頻繁に一時停止することになる。
交差点は距離をあけて設置するように心がけよう。

その他、信号の点灯パターンが不適切なものになっている場合がある。
普通の十字路では点灯パターンが「東西方向を青→南北方向を青」のような2サイクルの設定となる。
ところが十字路であっても交差点の構造次第では「東西を青→南を青→北を青」のような3サイクルの物になってしまう。
3サイクルの信号は赤信号の時間が延びてしまい効率が非常に悪いので、可能な限り避ける。以下の点に注意。
  • 交差点へ向かう方向の一方通行道路が存在する。(一方通行の道路が青信号の間は、他の道路は青にならない)
    • ただし一方通行の向かいの道路が交差点から離れる一方通行であるか、向かいに道路が存在しないのであれば2サイクルの信号になる。
  • 以下の画像左側のように、交差点の向かいの道路と真っすぐに繋がっていない道路がある。(それぞれ独立した道と判定され、信号の点灯が別々になってしまう)
intersection_signal_pattern.jpg
    • 画像左側は南北の道路が向かい合って繋がっていないので、別々の道であると認識され信号パターンが適切でない。
      北側が青なのに南側は赤信号となっている。
    • 画像右側は南北の道路が向かい合って繋がっているので信号パターンが適切なものになっている。
      真っすぐに繋がっていれば、その先が曲がっていても問題ない。
    • Y字路を作ると起こりやすい現象。角度を変えたいのなら曲線ツールを使うといい。

また右折車(右側通行設定の場合)が多い場合、右折専用のバイパスをちょっと敷いてやると、交差点へ流入する車の量が減少する。

踏切待ち

踏切は、道路のキャパシティを大幅に下げる。
列車通過の間に道路が遮断されることに加え、踏切が開いていても自動車は減速通行する事が原因。
また、列車の通行量が多いと開かずの踏切化するケースもある。
その場合は、裏路地レベルの交通量でも大渋滞になりうる。
よって、列車・自動車双方の交通量が少ない場合を除き、立体交差が基本。
なお、鉄道の傾斜制限は、道路よりも厳し目になっている。
特に駅付近での立体交差作成時は、傾斜制限に留意して都市設計を行うと良い。

信号なしの大混雑

交通整備を覚え始めた市長がやりがちなミス。
交差点の方向Xに対し、交叉する方向Yの交通量が極端に少ない場合、滅多に来ない車の為に赤信号で停まるのは全くナンセンスであるため、双方の交通量に大きな差が有る場合には・・・つまり序盤や田舎では、信号機は無い方がよい。

しかしながら信号を作らない道路敷設に拘りすぎた結果、右左折の車がぶつかり合って全く進まなくなってしまうという事態に陥っては元も子もない。交叉する道路の双方にある程度の交通量がある場合、信号が有った方がよい。数多くの市長が信号を絶対悪として扱う為騙されやすいが、信号つき交差点にした方がかえって上手くいく事も多々ある。

信号の有無よりも、道路のキャパシティ(車線数)が交通量に適しているかをチェックしよう。

左折待ち(右側通行の場合) への対処

本ゲームは実際と違い、直進車が居ても、平気で左折車(日本準拠の左側通行設定では右折車)が交差点に突入してしまう。この結果直進車の通行を阻害し渋滞となりがちである。
以下の対策から、道路状況に応じて適切な対策を選択する。
  • 対向道路の交通量を減らす
    • バイパス道の追加
    • 右左折車だけが交差点に来るように道路を分離し、立体交差を作る
  • 左折自体をなくす(ラウンドアバウト・立体交差など)
  • 擬似的な左折専用レーンを作る(交差点直前だけ車線数を増やす)
  • なるべく左折車が出ないよう施設・区画を配置する

なお交通系MODに、直進・左折・右折について(ついでに歩行者信号も)独自に信号を設定できるものがある。現実世界で見かける(日本で言う)「右折矢印」が再現でき、問題の解決に繋がるものである。


バス・路面電車の発着 への対処

バス

1つのバス停に2~3台(*1)以上のバスが押し寄せると、車線を塞いでしまい、渋滞を引き起こす。
特に、3つ以上の路線が同じバス停を共有している場合に重篤化しやすいため、発着場は路線ごとに分ける(ずらす)方が良い。
また、交差点付近は混みあいやすいので、なるべくバス停は作るべきではない。
*1: 道路一区画(ブルドーザー1クリックで破壊できる範囲)が長ければ、2台まで車線を塞がない。
    区画が短いと、2台でも車線を塞ぐ。

他の車両がまず通らない袋小路を作りそこをバス停とすると、バス停でのバス渋滞が他に悪影響を及ぼしにくい。
駅前などに複数のバス・路面電車の停留所が固まる場合、バスがバスの邪魔をすることを避ける為、多少スペースを割いてでもちゃんとバスターミナルを作る事も検討したい(アセットでもよいし、自分で道を敷いてもよい)。


路面電車

2車線道路の場合、路面電車が発着時に道を塞ぐ。
交通量が極端に少ない場合以外、路面電車停留所は4車線道路に設置した方が良い。

消防車・救急車・霊柩車・その他公共車両 への対処

消火活動・患者や死体の搬入が行われている道路は、通行することができなくなる。

消防車

消防車による消火活動は全ての車線を塞ぐ。
付近を通行する車両は停止したり別経路を探し出そうとするため、元々交通量が多い道路ではちょっとした火災が大渋滞を引き起こす。IC、産業区画、その他普段から交通が集中している道路ではこれに注意。ちなみに消防署そのものについては火災が発生した時しか消防車の出入りがなくこれが比較的希であるため、あまり問題にならない。
対処法としては、以下の通り。
  • 火災発生率を下げる。
    • 消防署の設置
    • スプリンクラー設置条例
  • 火災発生率の高い建物は幹線道路を避ける
    • 火災は減らずとも、交通への影響は抑制できる。
  • 消防ヘリ + ヘリコプター優先地区(実質専用地区)条例
    • 要DLC「Natural Disasters」
    • 条例施行地区では消防車が一切出勤しなくなるため、効果は劇的。
    • ただし、消防に記した通り、ヘリの消火能力が消防車より低いため、火災延焼・廃墟化リスクは上がる。
    • ヘリコプター優先地区条例は、警察・救急もヘリになるため、ヘリ施設3種の設置となり、土地と維持費を食う。

救急車・霊柩車

救急車・霊柩車は、消防車より道路を塞ぐ時間が短い上、1車線しか塞がない。
したがって、よほど健康状態が悪く人口密度が高い場所でなければ大きな影響はない。
また、そういう場所であっても、片側2車線以上にすることで渋滞を回避できる。

その他公共車両

警察車両・ごみ収集車も時々路駐する。しかし、大抵は駐車せずにゴミや犯罪率を回収するため、影響は微々たるもの。

なおゴミ処理にリサイクルセンターを用いている場合、センターにある程度ゴミがたまった後にトラクター等が出現し、各工業区画に配送を行ったあとセンターに帰還する。その分減量輸入に要する車両が減っているはずなのでこの建物が不利と言う訳では無いが、配置場所や道路整備について一定の配慮は求められるかもしれない。

排水サービス車(要DLC)も吸水作業で長時間道路を封鎖する。津波による浸水は、一時的なものと割り切れば良い。しかし、それ以外でも吸水作業が発生するようなら、浸水の原因を排除する必要がある。

車線変更待ち への対処

自動車の車線変更動作には何種類かあり、最も性質がよい動作では高速巡航時に一瞬で隣の車線に移行してくれる。
この動作だけしか起こらなければ車線変更自体は渋滞の原因とはほぼなり得ない。
一方で、低速で移動しながら90°ターンをして車線を横切るような(現実の高速道路でやったら即事故るような)
車線変更動作が発生する場合があり、これは元車線と横切った車線の両方をほぼせき止めるほどの減速を引き起こしてしまう。
どちらの車線変更動作が発生するかは道路の形状に強く依存しており、道路を「正しく」引き直すことでかなり抑えることが可能になる。 道路のセグメント間隔が短い場所があったら長くしてみたり、極めて短い距離(10マス以下程度)の間に右側から合流して左側から脱出するような分岐を作らない、といった対策を行うことで解決する場合がある。


同じ車線を使ってしまうことへの対処

高速道路で例えば右側車線から離脱するようになっている場合に、離脱したい車だけでなく直進したい車まで右側車線に殺到し、左側の車線はガラ空きなのに渋滞が発生する、というケースがよく見られる。
車両がどの車線を使うかはランダムではなく一定のアルゴリズムに従っており、例えば単純な3車線の高速道路に対して、左側から合流した車両は最初は左側レーンを使用し、目標の離脱レーンが左側にあるならずっと左側車線を、目標の離脱車線が右側にあるならおよそ1/3ずつの距離を進んだあたりで1つずつ車線を右側に移動していく(間に他の進入・離脱レーンがある場合はもう少し複雑な動作になる)。考えてみれば、進入も離脱も左車線なのであれば、圧倒的に便利な左車線ばかり使われるのは当たり前だ。

この説明から明らかなように、対策の1つは高速道路ごとに進入車線専用にする側と離脱車線専用にする側をそれぞれ決めて、そちらの側からしか進入・離脱させないようにさせることである。 これによって、すべての車両は3車線をそれなりに分散して利用するようになるため、1つの車線に詰まることが少なくなる。 またある程度徹底すれば織り込み交通、つまり左車線から右車線へ行きたい車両とその逆の車両が交叉するような車線変更が無くなる。

ただしこのポリシーを貫くのは意外と難しく、インターチェンジやジャンクションがかなり複雑な形状になりがちという問題もある。

もう一つの対策として、離脱のランプが分岐する交差点で、分岐後の道路を1車線少ない道路タイプで建てるというものがある。 例えば3車線高速道路なら、離脱交差点の先では2車線の高速道路を使い、適当なところ(合流がそのあとすぐに来るならそこが適当だろう)でまた3車線に戻す。
これで何が違うのかというと、分岐地点の道路に描かれた矢印を見るとわかるのだが、以前は離脱車線に直進方向と離脱方向の2方向の矢印が描かれていたものが、分岐後を1車線少ない道路にすることで、離脱方向への矢印しか描かれないようになる。 つまり、離脱車線には実際にこの直後に離脱したい車両のみが進入してくるようになる。
これによって、離脱車両を専用車線に分離することが可能になる。 また離脱しない車両は、車線を離脱車線の反対方向に寄せるように内部的に圧力がかかる。 これによって、高速道路での車線の利用をかなり分散させることができるようになる。


歩行者の横断 への対処

横断歩道を歩行者が通行している時、車両は減速して通過する。
大抵の場合は問題にならないが、駅前など、歩行者と右左折者が密集する場所だと渋滞要因にになりうる。
その場合、装飾のカテゴリの歩道を使って歩道橋または地下道を作ることで横断を減らすことができる。
(市民は道路の路肩や横断歩道よりも、専用の歩道や歩道橋を優先的に使う傾向がある)

また、シニアは歩行速度が遅いため、横断に時間がかかり、渋滞要因になるリスクが上がる。
高密度住宅を増やした場合は要注意。
碁盤プレイを好む市長でも、歩行者が多い場所には歩道橋を作った方が後々困らない。

渋滞対策にと交差点の少なくなるように区画を作っていると細長いものができがちだが、これを横断する歩道または歩道橋と横断歩道(普通の道路と芝生付き道路の境目などにできる。これが渋滞の原因になるなどするなら歩道橋にしても可)で短辺方向に歩行者が行き来できるようにすると、交差点の横断歩道を使う歩行者がある程度減少する他、設置した場所によっては公共交通機関の駅・バス停へのアクセスが向上する。

急カーブの通過 への対処

道路のカーブ半径によって最高速度が制限されるため、急カーブでは車間距離が詰まり、交通量によっては渋滞に繋がる。
特に高速道路の折れ線カーブは、高速道路のキャパシティを著しく低下させるため、積極的に曲線ツールを使うべきである。
また、ランプから急角度で高速道路に合流する箇所も車速を落とす原因になるので、角度45度の合流を心掛けたい。

マップの既存ジャンクションは、急カーブのランプが数多く存在する。
高速道路・ランプを設置する事が出来るようになったら、交通量の多いジャンクションから順次改善すると良い。
ただし、マップ既存の高速道路は維持費がかからない一方、自分で引きなおすと維持費がかかるようになる。
ジャンクションの混雑がなかったり、財政が厳しかったりするのであれば、無理に改善しないほうが良い場合もある。

また、デフォルトのクローバー型インターも左折ランプも急カーブに当たり、減速要因になる。
急カーブのない十字立体交差は、配布アセットから探すか、自分で組む。
(渋滞していないなら、クローバー型インターを使い続けても全く問題ない)
立体交差の例は、「立体交差」を参照。
なお、クローバー型でも、土地を食うのを覚悟で左折ランプの半径を大きくすれば渋滞しにくくなる。

渋滞が発生しやすい箇所

通勤・買い物経路 (住宅区 ⇔ 商業区・産業区・オフィス区)

これらの区画間の道路は交通量が多くなりやすい。
都市の道路が通勤・買い物方向と平行になるように設計し、自動車が余計な距離を走らなくて住むようにすると良い。
また、公共交通の充足で、自動車を減らすのも良い。
商業区では、買い物客もいるが、対処法は同じ。

なお、労働者は、なるべく近場(25セル以内)で働こうとする傾向がある。
公害との兼ね合いになるが、住宅地にもある程度職場を用意すると、渋滞を抑制できる。町中であるなら工業の代わりにオフィス区画の導入も有力だ。

買い物客は、商品と購買意欲さえあれば遠方の商業区にも平然と向かう。
よって、近場に商業区を置くことによる渋滞緩和効果は限定的(少しは効果がある)。
一方で この仕様は、多数の商業区があれば買い物客が分散する、という側面も持つ。
したがって、商業区の買い物客渋滞には、「別の場所に商業区を追加する」事も一定の効果がある。

産業地区から高速道路に向かう道

貨物車両が多いので、渋滞の要因になりやすい。
トラック自体の数は減らせないので、以下の対策を行う。
  • 輸出入を減らす(余剰産業が最小限になるよう特化産業を利用する)
    • 輸出入車両と都市内輸送車両の通行経路を分けるのが重要。
      都市内輸送に高速道路必須の道路構造だとあまり意味がない。
  • 貨物駅・貨物港の利用
    • 駅や港周辺が混雑しやすくなるので、そちらの混雑対策も必要。
  • 産業地区・高速道路間の道路への区画設定を避ける。
    • 建物への右左折車両を無くすと共に、火災による大渋滞を避ける目的。
    • 何も無いのが嫌なら、比較的道路負荷の小さい区画(低密度商業・オフィス)や公共施設を設置するのも良い。
      低密度住宅でも良いが、騒音で健康度が悪化しやすい。

高速道路の出口IC

出口付近の交差点を極力減らし、片道だけでもバイパス路を通す(部分的な立体交差にする)。
ICのラウンドアバウト化も手。ただし、極端に交通量が多い場合、デフォルトの「大きいラウンドアバウト」サイズでも容量不足になることがある。その場合は、立体交差にした方が良い

貨物駅周辺

以下の対処法がある。都市の設計方針に応じて適切な対策を選択する。

  • 貨物駅を利用するトラックを減らす。
    • 輸出入を減らす(余剰産業が最小限になるよう特化産業を利用する)
    • 貨物駅・貨物港・貨物ハブを複数設置し、トラックを分散させる。
      • 貨物系の施設は出入り口の交通容量が低いため、一つの施設が扱いきれる車の台数は意外と少ない。
        なので、周囲の道路を改善しても渋滞改善には限界がある。少数の施設に多くの貨物を任せないようにしよう。
        少し過剰な位に設置すれば、貨物駅を一般道から隔離する必要もない程に交通量を減らせる。
      • 特定の駅にトラックが偏る場合、その駅の周辺道路をを一部切断し、使い勝手を悪くする。
        トラックが他の駅に行きやすくなり、利用率を均質化できる。
      • 貨物駅をあまりに大量に設置する場合、列車の混雑がネックになることがある。
        その対策は鉄道の渋滞対策の項をを参照。
    • 線路を一部切断する。(都市内輸送と都市外輸送を分ける)
      • 貨物駅は、都市内の貨物輸送にも利用される (*2)ため、これを断つ。
        即ち「都市外 ⇔ 貨物駅」は繋げた上で、貨物駅同士が直結しない構造にする(ツリー型線路など)。
    • 産業ではなくオフィス区画を作る。
      • 既に整備が終わった地域は後から手を加えにくいので、産業区画をオフィスに転換するのもあり。
  • 道路のキャパシティを増やす
    • ラウンドアバウト風の環状道路上に貨物駅と設置する事で、信号設置を回避してキャパシティを稼げる。
      • 環状道路の外まで渋滞するようなら、環状道路を大きくするか、他の対策を併用する。
    • 高速道路から、貨物駅への直結ランプを作成すると、問題の切り分けが容易になる。
      • ただし、工業地区側のランプが混雑するようでは本末転倒。
        工業地区内への設置が良いか、直結ランプが良いかは都市設計と要相談。
    • 貨物駅に入る際の右左折減速を回避する。
      • 道路を引き、貨物駅を設置した後、駅出入り口 (*3)正面に「元の道路に直角な道路」を引く。
        更に最初に引いた方の道路は削除する。これで右左折減速を回避できる。
  • 貨物駅を使わない。
    • 貨物駅が存在すれば、貨物を産出する施設は無理にでも使おうとする。
      身も蓋も無いが、手を加えにくいならいっその事撤去した方が良い。
    • 大量の貨物がトラックとなって走るので道路網の整備が大変。専用の高速道路がほぼ必須となる。

  • 一方通行を活用する
    • 一方通行道路または線路を用いると(駅に入れるが出られない、または駅から出られるが入れない)、無理矢理搬出専用・搬入専用の貨物駅を作れ、トラフィックの管理が容易になる。副作用として目的地でトラックが消失し復路を走ることがなくなるため、貨物駅に関わるトラックがざっと半減する。経路が切断されているとの警告が目障りなのが問題である。


ラウンドアバウト内

適切なラウンドアバウトは、十字路より大きな交通キャパシティを持つ。
しかし、全ての車が同じ道路に集まるため、キャパシティを少しでも超えると一気に渋滞が拡大する。
またラウンドアバウトに限らず、信号のない交差点は合流車が増えると本線の車と衝突して減速する事が増え、効率が落ちてしまう欠点がある。また単純なラウンドアバウトは直進車両については逆に交通容量を減少させる。

  • ラウンドアバウト内の交通量を抑制する。
    • 渋滞の原因となっているルートを特定し、そこから車両がラウンドアバウトに入らないようにバイパス道を新設する。
    • 最終的にただの立体交差となっても良い(それだけの交通量がある交差点、ということ)。
    • 立体交差化し、直進車両はラウンドアバウトに入れず、直線で通す。
    • 右折(デフォルト設定)のバイパスを設置する。
  • ラウンドアバウト出口のキャパシティを増やし、車両の詰まりを回避する
    • 接続道路の車線数を増やす
    • 接続道路近くに交差点を作らない
    • 接続道路に一方通行2本を使って45°接続にする(右折減速を抑制)する
  • ラウンドアバウトを小さくしすぎない
    • 正円のラウンドアバウトの場合、半径10マス以上が基本。最低でも半径6マスは欲しい。
    • 交差点の間隔が短すぎると、通過できる台数が著しく減ってしまう。
      そのため、小さすぎるラウンドアバウトは内部で車両詰まりを起こす。
      • 普通の十字交差点にした方がスムーズに通る事もある。
    • 配布アセットのラウンドアバウトは、半径4マスしかないものも多い。それだと十字交差点より渋滞しやすい。
      • よく分からないと言う人は、デフォルトのラウンドアバウトを使っておけば問題ない。
    • どうしても小さいラウンドアバウトを使いたい場合、MODのTraffic Managerを導入して「優先関係標識でラウンドアバウト内を優先」にし、「junction restrictionsで前車両通過前の交差点侵入を許可」すると目詰りしにくくなる(要は現実同様のルールを適用する)。ただし、交差点ごとに設定する必要があり手間が掛かる。ラウンドアバウトは高速道路で作ってしまうのも1つの手で、問題が解消する場合がある。
  • ラウンドアバウトを高速道路とする。

不適切なセグメント設定

ノードの間隔が狭すぎると様々な問題が発生してしまう。
信号待ち・踏切待ちへの対処で述べている「前方の車両が交差点を通過するまで、後方の車両は交差点に入ることができない」と似たような状況。
普通は道路建設時に自動で調整されるので気にしなくて良いが、以下の場合等にゲームシステムの都合で発生する。
  • 複数車線道路の内、近距離に交差点が連続している場所
  • 「橋桁の至近距離だが少しずれた位置」に脇道(交差点)を設置した後に脇道を破壊した場合や、それらに類する状況。

用語
  • セグメント: 道路1区画。ブルドーザー ワンクリックで破壊できる範囲。
  • ノード: セグメントの両端。道路建設時、道路上に青い丸で表示される。

トラブル内容
  • 車線変更を試みる車両で渋滞する
    • 車線変更は、ノード上でしか行えない。
    • 交差点間にノードが1つ(または車線数の割に少ない数)しかない複数車線道路の場合、
      そこで車線変更が集中し、割り込みによる渋滞が発生しやすい。
    • 交差点間のノードが0の交差点が多数続くと更にひどくなる。
      「次の交差点で右折する車両」も「より先の交差点で右折する車両」も全て右車線に集中するため、
      都市構造によっては1車線しか使われなくなることもある。
    • 交差点間隔を開けるのが理想だが、それができない場合、セグメントを分割すると改善する場合がある。
  • セグメントが短すぎて減速渋滞する
    • 異常に短いセグメントは、最高速度が制限される。
      • 「何もない場所で減速・渋滞する」場合、大抵はこれが原因。
    • 高速道路で、1セグメントの長さが「概ねRCIO施設4セル相当」以下で顕著。
      • 2車線道路では、元の最高速度が遅いため、まず問題にならない。
    • 特に高架道路で、「橋桁の近くに脇道(交差点)を設置した後削除」した場合に起きやすい。
      ただし、地上道路でも、交差点の削除がなくとも、なる時はなる。
    • 対処法としては、該当道路とその前後の1~2セグメントを破壊した後、再度道路を引き直す。
    • 交差点と橋梁が近い場合、その短い区間が別セグメントとなり渋滞の原因になりがち。この場合は交差点の位置をずらすか、交差点からすぐ高架化した橋梁が始まるようにするとよい。


鉄道の渋滞対策

鉄道全般の渋滞・デッドロック対策

外から来る列車は路線設定ができず無秩序に移動するので、簡単に渋滞やデッドロックが発生してしまいます。
貨物列車に至っては都市内輸送ですら路線設定ができない始末。性質をよく理解して上手に扱いましょう。

  • 都市内輸送用の線路と都市外輸送用の線路は繋げない。
    • ただし路線の規模にもよる。場合によっては混在可能。
    • 旅客駅は情報パネルから外来列車の受け入れを切り替えられるので、混在させるならそれを活用するといい。
  • 双方向線路の分岐は間隔を列車1編成分か、それ以上開ける。
    • 分岐同士の間隔が短いと、行き違う列車同士が引っ掛かってデッドロックが発生する事がある。これだけは全力で避けよう。
    • 間隔を伸ばしたい場合は、なるべく編成長の整数倍の距離にするのがお勧め。1編成の長さは旅客列車と貨物列車で違う事を忘れずに。
    • 分岐は駅の両端にも必ず生じる。これもデッドロックを発生し得るので注意を。
  • 駅の脇には通過用の線路を敷設して、乗降・荷降ろし待ちを回避できるようにする。
    • 都市内輸送の旅客鉄道は決まった経路しか通らないので必要ない。
  • 通行量が多い線路を用意しない。なるべく分散させる。
    • 道路にも言えるが、使い勝手のいい線路を作ると列車が集中してしまうので、そこそこの線路を複数用意した方が結果的に良くなる。
  • 混雑する交差は一方通行線路を用いて、反対方向の線路を跨がずに横切れる立体交差にする。
    • 要は交差点の左折(デフォルト設定)のように、直進する車両とぶつかるのが致命的なのである。よって線路を用いて高速道路同様のジャンクションを作成する感じである(ラウンドアバウト系はNG)。巨大になりがちな上に非現実感が大きいのが問題。
  • 双方向線路の平面交差はなるべく単純な三叉交差にする。
  • 駅への出入りはなるべく両側から行えるようにする。
    • ターミナル駅のように折り返し式にすると、出入りできる列車の量が半減する。
  • 駅と最初の分岐までの間には、少なくとも1両分のスペースを設ける。

都市内輸送における貨物鉄道の渋滞・デッドロック対策

貨物駅は行き先の同じ貨物がトラック15台分溜まるか、トラックを受け入れて一定時間経過すると新しい列車を生み出す。
トラックが来る限り列車の産出は止まらないので、列車の流れが滞る場所があると続々と生まれる列車で渋滞が発生し、そのまま全体が詰まってしまう。

  • 列車を生む駅と目的地になる駅のバランスを整える。また列車が集中してしまう駅を作らない。
    • 列車を生む駅の数に対し、列車の目的地となりやすい駅(商業区画の近く等)の数が少なすぎると到来する列車を捌ききれず、そこから渋滞が発生する。
    • 貨物駅が少ないと列車だけでなくトラックも集中するので、駅の増設は道路渋滞の解消にも有効。
  • 列車の目的地となる駅は一方通行線路を使って列車が外へ出られない構造にし、完全に荷降ろし専用の駅とする。
    • 他の駅へ向かう経路が無ければ貨物を受け入れる事はなく、到着した列車は必ず消滅する。
      在庫が少しあったから、ちょっとだけ積んで再出発するのを防げる。効果は薄い。
  • 上記の他に、鉄道全般の渋滞・デッドロック対策の項も重要となる。

注意点
渋滞していた線路網を改変した場合、一度全ての貨物駅の機能を停止して貨物列車を全て消滅させよう。
線路が詰まって列車を生み出せない状況が続いたなら駅には大量の在庫が溜まっているはずなので、それが尽きるまで駅は延々と新しい列車を生み続ける。
それにより改変の効果が分かりにくくなるだけでなく、新しい渋滞まで発生してしまう。

配布アセット

Steam Workshopで配布されている高速インターチェンジは、見た目を重視するあまりに急カーブのみで構成されている物もあり、渋滞の要因になる場合がある。また、デフォルトのクローバー型インターもその典型例である。
使う際はまずアセットエディタでロードして、減速ポイントがないかどうか確認すると良い。なお、どのくらい急なら減速するかが分からない場合、都市に仮置きして実際の車両走行速度を見てみても良い。

また、一方通行が逆向きになっているアセットも少なからず存在するので確認を忘れずに。
交差点から交差点の間全てが逆向きだと、未接続の警告が表示されないので使う側も作る側も見逃してしまいやすい。

道路・交通関係MODの使用

MODの中には、道路の種類拡張や、バニラにはない交通ルールの設定など、選択肢を広げてくれるものがある。
詳細は、MOD紹介 - 道路・交通を参照。

参考ページ


コメント

  • 当然だけど踏切も渋滞のもと。本数が増えれば増えるほど開かずの踏切に --- (2016/12/07 13:42:08)
  • トラックが戻ってきて、工場の前の道路で横向いて完全に止まって、渋滞するんだがこれはバグなのかな? --- (2017/02/07 16:23:54)
    • しばらくして動くなら仕様、ずーっと止まってるなら>Remove Stuck Vehicles [1.6] MOD --- (2017/02/08 07:26:49)
      • ありがとうございます! --- (2017/02/10 14:00:55)
  • いくぅぅぅぅぅーーーーー --- サトちゃん (2019/12/09 15:41:39)
  • やたら加速性能悪くしたアセット車両が有るのでチェック出来る環境で。トラックでされると悲惨 --- (2020/05/03 00:04:20)
  • バスは基本的に周辺を大渋滞にさせるものと割り切って使う方がいいかも? --- (2020/05/15 23:50:46)
    • ↑続き バスを通す道路は他の道路とは分離させて現実で言うとBRT方式にしたら当然だがバスが原因の混雑はなくなるのでお勧め(他の道路とは行き来の為歩道で繋ぐ必要有り。スペースが必要な為序盤に大まかに引く必要有り。当然だがゴミ処理施設等必要最低限の物は通る道路上に建てる必要有り) --- (2020/05/15 23:51:57)
  • バス停共用しない、駐車スペース・退避化バス停にする、無理なら複数系統乗り入れさせない、積み残しに気をつける、積み残してもTMPEでポケットカー規制する などすれば案外大渋滞させない、むしろ期待通りのマイカー抑止 --- (2020/05/16 14:51:51)
    • ちょっとなら複数系統通しやすいあたり、むしろトラムとかよりお得まである --- (2022/02/26 09:24:39)
  • バスも一般車が目的地へ向かうのと同様に最短経路を通ろうとするので、停留所間も車庫からの出入りも一般車が通りたがる道を通るから一部の道路に人気が集中してるような渋滞は逆に悪化させる その面で路面電車とトロリーは渋滞地帯を強制的に避けれるという利点がある というかトロリーがバスに勝る点はほぼそれだけ --- (2022/03/14 02:29:34)
  • なんか変だと思ったら、高速道路からマップに入ってきて即出て行く、Uターン目的なだけのトラックが大量にいるじゃねーか! 隣のタイル購入して高速道路いじらないと解消されない嫌がらせみたいな仕様が7年も放置されてたんか。 --- (2022/03/15 18:05:51)
    • 確かにそれなあるあるだね --- アイウエオ (2023/05/02 18:57:31)
  • ちなみに道路を変えたりアップグレードしたりすると最短距離を求めるためすこしとまりまあすうううううううう --- アイウエオ (2023/05/02 19:01:56)
  • やべぇ街に入ってくる貨物列車で渋滞してる --- アホウドリ (2024/01/22 13:22:01)

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  • 最終更新:2023-04-22 19:02:27

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