JCT、IC、立体交差について
- 概要
- 用語
- 立体交差の種類
- 立体交差をどのように使うか
- 陥りがちなポイント
- 各立体交差の適所と詳細
- 完全ダイアモンド型、タービン型、スタック型
- クローバー型、対向ループ型
- ダブルY型、ダブルトランペット型
- ラウンドアバウト型
- 一点都市型・その他高容量IC
- ダイアモンド型・その他IC
- 3叉路
- 2叉路 (両方向型)
- 5叉以上
- 最後に
- コメント
概要
このページでは交通渋滞などで触れられているインターチェンジの主要な型と使い方について述べる。
三叉路JCTについては外部ブログ記事なども参照。
用語
ここでは、行き交う高速道路同士が繋がったものをJCT、高速道路と一般道ならICと呼ぶ。
また、ゲームのデフォルト通り、全て右側通行として解説する。左側通行にしている人は、その点に注意。
立体交差の種類
立体交差には様々な種類が有り、分類方法も多い。ゲーム的に重要な要素だけ挙げてみても
- トラフィック処理可能量(キャパシティ)
- 織り込み交通箇所の数、平面交差の有無
- 専有面積の少なさ(概ねキャパシティとトレードオフの関係にある)
- 維持費、建設費
- 作りやすさ(操作が少ない、既設高速に追加できるなど)
- Uターンの可否
- 右折・左折・直進のトラフィックのバランス(左折の多い交差点にはそれに適した立体交差を選ぶ等)
等多くの要素が有る。
ここでは単純化のためキャパシティと作りやすさに着目し、乱暴にまとめると、以下のとおりである。
立体交差の主要な型一覧表
作りやすさ | ||||
---|---|---|---|---|
易 | 中 | 難 | ||
キャパシティ | 大 | - | - | 完全ダイアモンド型 タービン型 スタック型 |
中 | ラウンドアバウト型 | クローバー型 対向ループ型 一点都市型 |
ダブルY型 ダブルトランペット型 |
|
小 | ダイアモンド型 | - | - |
立体交差をどのように使うか
陥りがちなポイント
- 立体交差の改築ではキャパシティは概ね数割増~倍程度にしかならないが、適切なバイパス道の敷設は敷設したレーン数の分効果が有る。大事なのは町全体のトラフィックの流れを掴んで町全体で対処する事で、立体交差の改築や新築はその手段だ。
- 最初は作りやすく安価な構造にしておき、ゲームが進むにつれてキャパシティ重視のタイプに変えていこう。
各立体交差の適所と詳細
以下、種類別の用途、特徴などの詳細を解説する。
なお、例として配布アセットへのリンクを張ってあるが、道路形状の見やすさを基準に選んだ。
したがって、例示したアセットは必ずしも合理的な形状ではない事に留意。
完全ダイアモンド型、タービン型、スタック型
都市計画が決まっており、資金が有る状態で更地から作るならおススメ。
交通容量は最大級だが、高架道路が干渉しやすく、作りにくい。
Anarchy系MODや整地MODを使ってアセットで作ってしまうなら作りやすさも問題は無くなる。
ただし、維持費とスペースを食うのは変わらない。
<<完全ダイヤモンド型>>
一般的なJCT形式では、本ゲーム最大の交通容量を持つ。
また、タービン型やスタック型より、安価でコンパクトに作りやすい。
現実では、左折ランプが追い越し車線側にでている上に過度に直線的なため、事故が起きやすい。
しかし、そもそも事故が起きない本ゲームでは問題にならない。
むしろ、ランプ内の減速が殆ど無い、右折車と左折車のレーンを分離される、といったメリットとして作用する。
ただし、近距離に別の交差点があると話は別。JCT間の道路が織り込み交通となり「車線変更が間に合わずに左折できない」や「急激な車線変更で渋滞」を誘発しうる。
どのJCT・ICでも十分に間隔を開ける(60セルが目安)事が重要だが、完全ダイヤモンド型では特に重要。
なお、直進道路がJCT内部で左右反転しているため、ICに使う場合でも一方通行道路が必須になる事、直進車両が直線走行でない点には注意。
例


<<タービン型>>
現実では、クローバー型で捌ききれない場合の標準的JCT。
ゲームでは、完全ダイヤモンド型の方が、コスト・土地・交通容量全てにおいて優位。
「追い越し車線からのランプ」や完全ダイヤモンド型の外観が嫌な人向けか。
例 (2例で微妙に接続法が異なる。2つ目の例はスタックタービン型と言うこともある)


<<スタック型>>
基本的には、タービン型と大きく変わらないが、タービン型より占有面積は抑制できる。
その代わり、中央部で4層に重なりながら交差するため、設置難易度がとても高い。
(橋桁の配置が難しい、後から下の層を修正しようとするとマウスカーソルを合わせにくい、斜面に設置しようとするとランプが傾斜制限に引っかかりやすい)
高低差が非常に激しいため、現実ではトラック泣かせだが、馬力不足も追突事故もない本ゲームでは関係ない話。
例


クローバー型、対向ループ型
クローバー型は、ゲームに慣れる前や、慣れた後でもコストを抑えたい場合におススメ。
対向ループ型は、ゲームに十分慣れてから、コストと交通容量の微妙なバランスを取りたい場合におススメ。
完全立体交差にしては安価だが、左折車が270°カーブになるために減速・渋滞しやすいのが欠点。
<<クローバー型>>
言わずと知れたデフォルト4叉JCT。
左折ランプの急カーブのために、完全立体交差の中では交通容量が小さい。
その代わり、架橋部が少なく、建設費・維持費は安い。
現実では織り込み交通になる箇所が多い事が大きな欠点だが、
本ゲームでは高速道路が3車線固定である関係上、織り込み交通にはならない。
ただし、MODの2車線高速を併用して現実風にする場合は、織り込み交通になる。
下記の例の2つ目は、現実の織り込み交通回避版クローバー型を模した物。
例


<<対向ループ型>>
クローバー型と、スタック型・タービン型を混ぜたもの。
交通量の少ない左折をクローバー型にし、その他をスタック型・タービン型とする事で、コストと交通容量のバランスを取るのに使える。
亜種として、270°カーブが1~3個までの物も作成可能。
なお、現実では、織り込み交通回避がクローバー型と比べた最大のメリットだが、前述の通り本ゲームでは関係がない。
また、英語名は、"Cloverstack" であり、日本語の直訳とは大きく異なるので、workshopで探す際には注意。
例


ダブルY型、ダブルトランペット型
道路脇にどうしても破壊したくないものが有るときにおススメ。それ以外の状況での利点は見出しにくい。
3叉ジャンクション2つをつなげて4叉ジャンクションとして運用するのだが、
2つの3叉ジャンクション間で織り込み交通が発生するため、渋滞しやすい。
(同区間を1車線にすれば織り込みにはならないが、その場合は単純に交通容量が小さくなるために渋滞しやすい)
また、土地も維持費も通常の4叉ジャンクション以上に食う。
例
ダブルY型: (サンプル募集中)

ラウンドアバウト型
JCTを後付けで増やすときにおススメ。
直進道をきちんと分離したタイプ(後述する二層以上のタイプ)にすれば意外とキャパシティは大きい。
また、ラウンドアバウトの演習の長さが確保できるなら、容易に五叉路・六叉路…と拡張出来る。
なお、ロータリー型と呼ばれることもある。
ラウンドアバウト型は、「どの車両をラウンドアバウト内に流入させるか」でいくつかのタイプに別れる。
2層型はIC向き。その場合、高速道側の直進車以外、全てがラウンドアバウトに流入する。
3層型は、JCTや交通量の多いIC向け。右左折車のみがラウンドアバウトに流入する。
右折分離型は、高交通量のJCT向け。右折車をラウンドアバウト外で処理するため、左折車のみラウンドアバウトに
流入する。条件によっては、クローバー型以上の交通容量を持つ事もあるが、コストや占有面積もクローバー型並。
例 (名称は仮の物で一般的に定着しているものではない)
1層型: 単なるラウンドアバウト(平面交差)であって、立体交差ではない。



一点都市型・その他高容量IC
ICとJCTの中間的な性質の立体交差。交通量の多いICや一般道同士の立体交差化におススメ。
ただし、一点都市型(JCTタイプ)のみ、低交通量JCTにも適用できる。こちらは、用地制限の厳しい(道路脇に破壊したくない物がある)場所に後付で設置する場合に向いている。
いずれも、信号設置を前提とするが、何らかの工夫により信号機がある割に交通容量が大きくなっている。
完全立体交差と比べると、交通容量が小さいが省スペースで安価。
通常のIC(ダイヤモンド型等)と比べると、交通容量は大きいが設置が手間(構造が複雑&MOD推奨)。
なお、各論に示す通り、いずれの立体交差もMOD併用推奨。
(MOD無しでも一応作れるが、本来の性質が出しづらくなる)
<<一点都市型(JCTタイプ)>>
信号機付きのJCTという、非常に稀有な存在。おそらく、現実では美女木JCTが唯一の例。
信号機付きなため、完全立体交差よりは渋滞しやすい。
一方、MODとセットで利用すると、異常に省スペースなJCTにできる。
なお、下記のサンプルはMOD無しで作っているため、あまり省スペースではない。
省スペース化する場合、本線上下線間の間隔を詰め、十字平面交差部と縦に重なるように配置する。
推奨MOD
NpPllars または Fine Road Anarchy: 橋桁を無くし、省スペース性を出すため
Traffic++ または Traffic Manager: 信号機部分での直進を禁止するため
例

<<一点都市型(ICタイプ)>>
一般的に「一点都市型」といった場合このタイプを指す。
信号が1箇所に集約された上、右折車は信号を回避できるため、ICの中では比較的交通容量が大きい。
当然、完全立体交差よりは交通容量が小さい。
推奨MOD: {Traffic++とToggle Traffic Lights} または Traffic Manager
非現実的な右左折(右折用ランプに入って135°ターンで左折など)を禁止するため。
合流部の不必要な信号を除去するため。
例

<<分離ダイヤモンド型>>
完全ダイヤモンド型を部分的に平面交差としたもの。
完全ダイヤモンド型同様、平面交差の内側は、左右反転している。
信号機は複数あるものの、左折待ちが発生しない構造のため、車両詰まりが起きにくい。
Traffic Managerの時間設定付き信号が無いと、うまく機能しないため、その設定が面倒なのが最大の欠点。
設定時は、下記サンプルリンク中の画像を参考にすると良い。
推奨MOD: Traffic Manager
非現実的な右左折(右折用ランプに入って135°ターンで左折など)を禁止するため。
信号パターンを設定するため。
任意: 合流部の信号を除去するため
例

<<不完全クローバー(6ランプ)型>>
一般道 → 高速道に上がる向きのみ、完全な立体交差にした形。逆にしないよう注意。
左折待ちが発生しないため、分離ダイヤモンド型同様、車両詰まりが起きにくい。
一方、MOD無しではロクに機能しない事が大きな欠点。
推奨MOD: Traffic Manager
非現実的な右左折(135°ターンでランプに侵入など)を禁止するため。
交差点内(分離部分)での停車を許可するため (*1)。
例
ダイアモンド型・その他IC
IC用。片方の交通量が少ないときにおススメ。
普通に作ると生じる信号がネックだが、MOD等で信号が無い構造にすると、中程度の交通量までは対応できる。
(大交通量&信号無しはオススメしない。右左折直進車が入り乱れすぎて目詰まり要因になる)
名前が似ているが、完全ダイアモンド型とは別物である。
また、その他の一般道側に信号機ができるタイプの立体交差も併せて紹介する。
<<ダイヤモンド型>>
一般道側に信号ができる形態の基本形。
十字交差部分をラウンドアバウトにする(ダンベル型)と信号を回避できるが、
本ゲームの仕様が小規模ラウンドアバウトとの相性が悪いため、あまりオススメはしない。
例

<<折り畳みダイヤモンド型>>
用地制限などの理由で一方向にランプを押し込んだ形。
急カーブはあるものの、ボトルネックが信号であるため、交通容量は普通のダイアモンド型と大差ない。
例

<<不完全クローバー(4ランプ)型>>
一見して折り畳みダイヤモンド型と大差ないが、
左折待ちがIC内側になるため、多少の渋滞であればIC外への直接影響を避けられる利点がある。
そのため、左右反転させて設置は不適当。
例

3叉路
3叉のJCT・ICは、基本的に4叉JCT・ICの一部を切り抜いた形をしている。
道路が1本減った分、全体的にコンパクトになっているが、基本性質は4叉と大きく変わらない。
<<準直結Y型>>
最もありふれた3叉JCT。スタック型・タービン型に相当。
デフォルトの3叉JCTは、この型に近いが微妙に異なる形。
なお、3差路全般に言えるが、英語では "Y interchange" より "T interchange" の方が一般的。
例

<<直結Y型>>
非常に狭い場所にも設置できるが、追い越し車線からランプが伸びる形になる。
完全ダイヤモンド型に相当(ただし、直進はねじれない)。
例
<<トランペット型>>
左折270°ループがあるため、交通容量は少なめ。
JCTよりICに向いているかもしれない。対向ループ型に相当。
例

<<ラウンドアバウト型>>
ラウンドアバウト型の性格上、3叉でも4叉でも大差ない。
例
(なし)
<<平面Y型>>
IC向け。1ヶ所平面交差があるため、交通容量は小さい。ダイアモンド型に相当。
例
(なし)
2叉路 (両方向型)
「2叉路」というのは、いささか語弊があるが、
並走する2本の道路を(Uターンを許さずに)相互乗り入れをさせる立体交差。
交通量が少ない場合は、「2路線を合流後に分離」で良いが、交通量が多い場合には本立体交差がおススメ。
例


(2サンプルとも、車線の向きは「↓↓↑↑」であり、「↓↑↓↑」ではない。)

5叉以上
5叉以上の完全立体交差もあるが、形状がとても複雑になるため、4叉を使いこなせるようになってから手を出すのがオススメ。
交通量の少ない部分を平面交差にしたり、一部のランプを削減する(接続しない)などし、不完全な交差道路とする事が多い。
例、いずれも完全立体交差



最後に
冒頭で参照ページを挙げた通り、ここで説明している以外にも様々なタイプのIC等が有る。自分の街に合わせて色々なアイデアを組み合わせて使うとゲームをより一層楽しめるだろう。
コメント
- 最終更新:2023-04-25 21:42:49